診療科・各部門
リハビリテーション科
木村病院リハビリテーション科は、入院中だけでなく退院後も切れ目なくリハビリを提供する“シームレスリハビリテーション”の確立を目標としています。入院から在宅(外来リハビリ、通所リハビリ、訪問リハビリ)に至るまで一貫した情報共有を行うことで、患者さまに最適なリハビリを提供できる体制を整えています。
- 新型コロナ対策について
- 新型コロナウイルス対策として以下の対策を徹底しています。 入院、在宅患者様の訓練場所は分け、来院時の検温、リハビリスタッフのマスク着用・手洗い・手指消毒の徹底、送迎車・リハビリ機器・ベッドの消毒作業、リハビリ室内の換気など、私達は感染予防対策を徹底することにより、患者様が安心して利用できるリハビリの場を提供します。
基本方針、特徴
リハビリテーション科 基本方針
- 患者様主体の医療を実現するために、多職種と協働してニーズに即した計画的なリハビリテーションを提供します。
- 365日体制を整えております。発症または術後早期から集中的なリハビリテーションを行うことで、一日も早い在宅復帰・社会復帰を目指します。
当院リハビリテーション科の特徴
- スタッフ数
- 理学療法士16名、作業療法士6名、言語聴覚士2名
急性期一般病棟部門、地域包括ケア病棟部門・緩和ケア病棟部門、在宅リハビリ部門(外来リハビリ・通所リハビリ・訪問リハビリ)に分かれてリハビリテーションの提供を行っています。
- 365日体制
- 365日体制でのリハビリテーションの提供を行っています。
- チームアプローチ
- 日々変化する患者様の状態に対応するため、カンファレンスを毎日行っています。医師・看護師・リハビリスタッフ・薬剤師・管理栄養士・ソーシャルワーカーなど多職種で患者さんの状況や治療方針について情報を共有し、それぞれの専門的視点から患者様の課題を検討することでケアの質の向上を図っています。
- リハビリフロア
- リハビリ室は5階フロアにあり、「入院リハビリ室」と「在宅リハビリ室」(外来リハビリ・通所リハビリ)に分かれています。
北側の入院リハビリ室は、機能回復に必要な機器を備えたリハビリテーションフロアです。
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免荷式歩行用リフト -
IVES 電気刺激装置
南側の心臓リハビリ室、在宅リハビリ室は、窓外に博多区一円が展望できる開放的な空間で、通常のリハビリテーション機器だけでなく、フィットネス機器や更衣室も備えています。
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心臓リハビリ室・在宅リハビリ室
心電図モニター管理下での心臓リハビリ
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個室完備のST訓練 -
ADL室(調理練習や入浴動作練習を自宅環境に合わせて行います)
南側6階は失語症や構音障害などでコミュニケーションに課題を抱える患者様に対して、評価・リハビリを行う「ST室」と在宅復帰を支援するために必要な調理練習などができる設備を備えた、「ADL室」があります。
疾患別リハ
施設基準
- 運動器リハビリテーション(Ⅰ)
- 脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)
- 心大血管リハビリテーション(Ⅰ)
- 呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)
- がん患者リハビリテーション
- 廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)
- 運動器リハビリテーション
- 上腕骨骨折、前腕骨骨折、脊椎圧迫骨折、大腿骨骨折、下腿骨骨折等の患者様に対し、受傷後または手術後早い段階からリハビリテーションを行います。
また、脊柱や四肢の変形性疾患やスポーツ障害に対する運動療法や装具療法などを行い、身体機能や生活動作の改善に向けてリハビリテーションを行います。
- 脳血管疾患等リハビリテーション
- 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳血管疾患、脊髄損傷・脊髄腫瘍などの中枢神経疾患等を有する患者様を対象に、基本的動作・日常生活動作・社会適応能力・高次脳機能障害への専門的な治療・訓練を行い、日常生活動作自立の実現を目標としてリハビリを行います。
- 心大血管リハビリテーション
- 心臓リハビリテーションは、自分の病気のことを知ることから始まり、運動療法、食事療法、薬物療法、心理面のケアなどを総合的に行うものです。医師、看護師、リハビリスタッフ、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多くの専門職が多面的に関わり、患者様の状態に応じた包括的なリハビリプログラムを提案、実施しています。
- 呼吸器リハビリテーション
- 呼吸器疾患を有する患者様に対して、リハビリテーションを行っています。
当院では、肺の病気のために生じる息切れ、咳、痰などの症状を軽減し、日常生活を維持・改善するための「呼吸リハビリ教育入院」も行っています。
- がん患者リハビリテーション
- 「がん患者リハビリテーション」に関する研修を修了したリハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が、がん患者様のリハビリテーションを行っています。
また、緩和ケアでは専門職チームが患者様一人一人に合わせた介入をしています。身体状況に応じて運動指導や生活環境の見直し、苦痛を和らげるためのお手伝いをしています。
- 廃用症候群リハビリテーション
- 廃用症候群とは、病気や怪我などで長期安静にしていることによって生じる障害です。過度の安静や体を動かさないことにより筋肉は衰え、関節の動きも悪くなり心肺機能も低下します。そのような方を対象に、リハビリテーションを行います。
- 摂食嚥下リハビリテーション
- 嚥下障害を認める「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」などの患者様に対して、リハビリテーションを行います。高齢者の肺炎の7割を占めるのは、「誤嚥性肺炎」と言われています。
食べ物や飲みものを飲み込む動作を「嚥下(えんげ)」と言い、食べ物や飲み物は、通常、口腔→咽頭→食道へと送り込まれます。しかし、病気・高齢などの理由により、食べ物や飲み物、胃液などが誤って気管に入る場合があります。このような状態を「誤嚥(ごえん)」といいます。
誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎です。高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係していると言われています。再発を繰り返す特徴があり、それにより耐性菌が発生し、抗菌薬治療に抵抗性をもつことがあります。そのため、優れた抗菌薬治療が開発されている現在でも治療困難なことが多く、高齢者の死亡原因となっています。
- このような症状でお困りの方・・・当院へご相談を!
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- 食事、飲み物を飲み込む際、むせる。
- 食べ物が喉に詰まる。
- 飲み込む際に喉に違和感を感じる。
- 食欲が落ちた。
- 体重が減少した。
- 誤嚥性肺炎を繰り返している。
- 食事介助の方法に自信がない。
在宅リハビリ
当院では、退院後もリハビリが継続できるよう、外来リハビリ、通所リハビリ、訪問リハビリを行っています。
- 外来リハビリテーション
- 外来リハビリテーションとは、在宅生活を送りながら通院可能な患者様に対して提供するリハビリです。当院では、退院後もリハビリ継続が必要な方、日常生活で不自由を感じている方(肩痛、腰痛、膝痛、骨折、脳卒中後遺症、パーキンソン病等の方)、スポーツ障害や言語・嚥下障害を有する方などに対して、理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士が症状の改善、日常生活動作や日常生活関連動作の能力向上、職場復帰に向けた支援を行います。当院の外来リハビリを希望される方は外来受診のうえ、ご相談ください。
症状に応じて医師の指示のもと、リハビリテーションが開始されます。(医療保険ではリハビリを受けられる疾患や期間に制限があります)
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各種下肢筋力強化運動用パワーリハ
- 通所リハビリテーション
- 通所リハビリテーションは、介護保険を利用したサービスです。自立した日常生活活動へ向け、筋力や体力など身体機能の維持・回復を目指したリハビリを行います。
在宅リハビリに関する見学及びお問い合わせはこちら
TEL:092-641-1880(直通)
FAX:092-641-1881
サービス提供時間のご案内
月曜日~金曜日 ※祝・祭日を除く
- 9:15〜10:30
- 10:40~11:55
- 13:35〜14:50
- 15:00~16:15
サービス内容 | 滞在時間は75分。 PT、OT、STが利用者さまの状態に合わせ、必要に応じて20分程度の個別リハビリを行います。 個別リハビリ以外にも、PT、OT、STが作成した『自主トレーニングプログラム』を実施していただきます。 送迎希望の方は、送迎車にてお迎え・お送りします。 |
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エリア | 博多区・東区 ※当院から車で10分程度の範囲(それ以上は要相談) |
対象 | 介護保険の認定が「要支援1・2」、「要介護1~5」の方 |
- 訪問リハビリテーション
- 訪問リハビリテーションは、医療保険・介護保険を利用したサービスです。生活の場(ご自宅など)に訪問して、日常生活の自立と社会参加を目指したリハビリを行います。
サービス提供時間のご案内
月曜日~土曜日 ※祝・祭日を除く、土曜日は午前のみ
サービス内容 |
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エリア | 博多区・東区 ※当院から自転車にて10分程度の範囲(それ以上は要相談) |
対象 | 介護保険の認定が「要支援1・2」、「要介護1~5」の方。 身体の状態が著しく悪くなり病院や診療所が「訪問リハビリが必要」と認めた場合、「医療保険」によるご利用が可能です。 |
トピックス
資格・認定士
- 日本心臓リハビリテーション学会認定 心臓リハビリテーション指導士 3名
- 3学会合同呼吸療法認定士 2名
- 認定理学療法士(脳卒中) 1名
- 認定理学療法士(運動器) 1名
- 介護支援専門員 2名
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 1名
- 福祉住環境コーディネーター2級 2名
- がんのリハビリテーション研修会修了者 9名
学会発表実績(2019年度・2020年度・2021年度実績)
職員名 | 学会・研究会等の名称 | 年月 | タイトル |
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村上 真由美 | 第25回日本心臓リハビリテーション学術集会 | 2019年7月 | 発作性心房細動に対するカテーテルアブレーション療法により運動耐容能が改善した重症心不全例についての一考察 |
中尾 和仁 | 第25回日本心臓リハビリテーション学術集会 | 2019年7月 | 気腫合併肺線維症による肺高血圧に対しての終末期呼吸リハビリの取り組み |
米村 勇哉 | 第25回日本心臓リハビリテーション学術集会 | 2019年7月 | 複数回の開胸術後、回復期運動療法により運動耐用能と呼吸困難感が改善した一症例 |
糸瀬 清香 | 第25回日本心臓リハビリテーション学術集会 | 2019年7月 | 終末期の非癌患者に対して患者と家族を含めたチーム医療が精神的健康度の向上に繋がった一症例 |
村上 真由美 | 第4回心大血管理学療法学術大会 | 2019年9月 | 高度拘束性肺障害を合併した成人期の先天性心疾患患者に対する運動療法の一考察 |
村上 真由美 | 第26回日本心臓リハビリテーション学術集会 | 2020年7月 | 心アミロイドーシスに伴う重症心不全症例に対する運動療法の工夫 |
米村 勇哉 | 第26回日本心臓リハビリテーション学術集会 | 2020年7月 | 知的障害のある心不全症例に対し多職種協働での生活支援を行った1症例 |
糸瀬 清香 | 第26回日本心臓リハビリテーション学術集会 | 2020年7月 | 知的障害を合併した成人性天性心疾患でリハビリテーション介入に難渋した1症例 |
荒牧 純也 | 第26回日本心臓リハビリテーション学術集会 | 2020年7月 | 当院における心臓リハビリテーションにおける作業療法士の取り組み |
村上 真由美 | 第57回日本リハビリテーション医学会 | 2020年8月 | 病院併設型通所リハビリ施設における医療介護連携心臓リハビリの試み |
吉田 弘樹 | 第57回日本リハビリテーション医学会 | 2020年8月 | 疼痛に対する心理的評価を併用し、工夫を行った急性膝痛症例に対する効果 |
大嶌 裕 | 第57回日本リハビリテーション医学会 | 2020年8月 | 脳卒中後遺症患者の生活期のための装具のフォローアップの重要性 |
椛島 義史 | 第4回 日本リハビリテーション医学会秋季学術集会 | 2020年11月 | Stay homeにより虚弱高齢者の運動機能は低下するか? |
石隈 就也 | 第4回 日本リハビリテーション医学会秋季学術集会 | 2020年11月 | 虚弱超高齢者でも運動療法により筋機能は向上する |
中村 翔太 | 第4回 日本リハビリテーション医学会秋季学術集会 | 2020年11月 | 重度脳卒中片麻痺患者の超音波による下肢筋評価の試み |
村上 真由美 | 第85回日本循環器学会 | 2021年3月 | 心不全患者における栄養摂取状況と身体機能評価の検討 |
村上 真由美 | 第23回 日本成人先天性心疾患学会 | 2022年1月 | 在宅生活継続を目標とした患者教育の奏功した成人期先天性心疾患の一例 |