食事の時の「むせ」を防ぐ嚥下リハビリって何?
誤嚥とは?
食べ物や飲みものを飲み込む動作を
「嚥下(えんげ)」といい、その際食
べ物や飲み物は、通常、口腔→咽頭→
食道へと送り込まれます。しかし、病
気・高齢などの理由により、食べ物や
飲み物、胃液などが誤って気管に入る
場合があります。このような状態を
「誤嚥(ごえん)」といいます。
誤嚥性肺炎とは?
誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎です。高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係していると言われています。再発を繰り返す特徴があり、それにより耐性菌が発生し、抗菌薬治療に抵抗性をもつことがあります。そのため優れた抗菌薬治療が開発されている現在でも治療困難なことが多く、高齢者の死亡原因となっています。
当院の嚥下リハビリの治療の流れ
①当院の医師による診察が必要。
②医師・言語聴覚士(以下ST)による嚥下評価を実施。
(VF・VE検査にて)
③医師・看護師・栄養士・ST等で、「適切な食事形態・姿勢」、「水分のトロミの必要性」等を検討。NST委員会で栄養管理のサポート。
④食事訓練開始。(ST介入の下、実施)
⑤退院時、「適切な食事形態・姿勢」「トロミの粘度」等を記載した資料(退院後も安全に食事をとっていただくため)を退院時に送付。
嚥下造影検査(VF)について
X線照射しながら、食材(造影剤を混ぜた物)を嚥下してもらい、その様子を評価する。
「誤嚥していないか?(食べ物が気管に入っていないか?)」
「口腔→咽頭→食道へとスムーズに飲み込めているか?」
「咽頭残留の有無・程度(飲み込んだ後、喉に食べ物が残っていないか?)」
「どの食事形態であれば、誤嚥しないか?(どの食べ物であれば気管に入らず安全に食べられるか?)」
「誤嚥しないためにはどのような姿勢が良いのか?」
嚥下内視鏡検査(VE)について
鼻腔から内視鏡カメラを入れて、嚥下時の咽頭・喉頭の様子を評価。
「誤嚥していないか?(食べ物が気管に入っていないか?)」
「咽頭の様子を観察(唾液・痰が溜まっていないか?)」
「咽頭残留の有無・程度(飲み込んだ後に喉にどれだけ残っているか?)」
「どの食事形態であれば、誤嚥しないか?(どの食べ物であれば気管に入らず安全に食べられるか?)」
「誤嚥しないためにはどのような姿勢が良いのか?」
当院で作成している資料の一例
この様な資料を作成し、退院時にお渡ししています。(退院後も、誤嚥性肺炎を予防し、安心・安全に食事を継続していただくことを目的に作成しています。)
このような症状でお困りの方・・・当院へご相談を!
・食事、飲み物を飲み込む際、むせる。
・食べ物が喉に詰まる。
・飲み込む際に喉に違和感を感じる。
・食欲が落ちた。
・体重が減少した。
・誤嚥性肺炎を繰り返している。
・食事介助の方法に自信がない。
連絡先
「ご本人・ご家族の方」
リハビリテーション室
TEL:092-641-1975
[受付時間 9:00~16:30]
「医療・介護関係者の方」
地域医療連携室
TEL:092-641-2160
[受付時間 9:00~17:30]