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7月14日は何の日?

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7月14日は何の日?

みなさま、こんにちは。

7月14日は何の日かご存じですか?“714”(ないし)と内視(ないし)の語呂合わせから、この日は「内視鏡の日」とされています。(2006年7月に内視鏡医学研究振興財団により制定)

 内視鏡は、現在、消化器をはじめ、脳神経外科や耳鼻咽喉科、整形外科など、さまざまな分野において、検査・治療・手術等に幅広く用いられています。

一般的に内視鏡といえば、先端に小型のカメラを内蔵した細長い管(直径1cm程のチューブ)が良く知られていますが、現在では超音波内視鏡やカプセル内視鏡なども普及しています。

 健康診断でも一般的に使用される内視鏡の代表格といえば、「胃カメラ」ですね。食道~胃~十二指腸をカメラで観察して、異常の有無や症状の原因を調べるだけでなく、吐血した際の止血処置や早期胃がんの治療にも使用されています。

 今回は「内視鏡の日」に因んで、胃の内視鏡検査、通称「胃カメラ検査」について少しお話をしたいと思います。受けたことがある方も、無い方もぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

胃カメラとはどんなもの?

 胃カメラの種類は主に2つあります。経口用カメラ(口からカメラを入れる方法)と、経鼻用カメラ(鼻からカメラを入れる方法)です。経口用カメラの太さは10mm程、経鼻用カメラの太さは5mm程と太さがあります。どちらも所要時間(カメラが体に入ってから抜けるまで)は約10分程ですが、若干、経口カメラの方が経鼻カメラよりも所要時間は短い傾向にあります。

前日に夕飯は食べていい?~検査前日から来院まで~

胃カメラ検査に備えてどのように過ごせばよいか、みていきましょう。

前日の夕食

 軽めの食事を検査前日の20時頃までに済ませます。正確に検査を行うためには、低脂肪、低繊維の食事が肝要です。過度の飲酒や油分の多い食事、消化の悪いものはできるだけ控えた方が良いです。遅い時間の夕食や高繊維のものを食べると、翌日まで胃の中に残ってしまうことがあるので気をつけましょう。

検査当日

 朝食は食べられませんが、色のついていない透明な飲み物(お水、お茶)は飲んでも問題ありません。コーヒーや牛乳など濃い色のついた飲み物は検査に影響が出るため、控えることが大切です。

お薬に服用について

 毎朝内服しているお薬については、検査当日の朝6時頃に内服しましょう。ただし、お薬によっては検査前に服用してはいけないものもありますので、必ず事前に医師に確認しておきましょう。

検査当日の流れは?~来院から検査開始まで~

次に検査当日の流れをみていきましょう。(病院によって多少流れが異なることがありますのでご了承ください)

・検査予約時間の10~15分前に受付を済ませておきます。

・検査前に看護師と一緒に問診の確認を行います。

・電話で仮予約をされた方は、検査前に医師の診察、説明を受けていただきます。

・義歯がある方は外しておきます。また、グラグラしている歯がある場合も事前に看護師に伝えてください。

・コルセットを装着している場合は外します。(ベルトをしている方も緩めると楽に検査を受けることができます)

・鎮静剤を使用する方(半分眠った状態で検査を受ける方)は、ここで点滴ルートをとります。

・前処置室で、咽頭麻酔(のどの違和感を緩和するスプレー式の麻酔)を行います。※少し苦いです。

・内視鏡検査室へ移動。検査用ベッドに横になりマウスピース(経口カメラの場合)を装着します。

・鎮静剤を使用する方は、ここで鎮静剤を注射します。

 

自分の胃の中を見てみよう!~検査開始から終了まで~

次に、検査開始から終了までの流れを詳しくみていきましょう。

①経口カメラの場合、カメラをマウスピースからそっと挿入していきます。

②カメラが喉元まで来たら、医師が「飲み込んで下さい」と合図をするので、一度だけ大きなあめ玉を飲み込むように「ごくん」とカメラをのみ込みます。

③一度カメラをのみ込んだ後は、咽頭麻酔(喉の麻酔)が効いているので、唾液はのみ込まないようにします。(※唾液をのみ込むとムセやすくなります)

④カメラが喉元を通過するときに、何度か嘔吐反射(オエっとなる)が起こりますが心配はいりません。徐々に慣れて落ち着いてきます。

⑤空気を入れて胃を膨らましながら検査を行うので、お腹が張ってくるような感じがしますが、ゲップは我慢しましょう。

⑥余裕があれば、モニターで自分の食道や胃の中の様子をみることができます。

⑦検査前の咽頭麻酔(喉の麻酔)の効果が続いているため、検査終了後1時間絶飲食(食べたり飲んだりできない)です。※経鼻カメラの場合は20~30分間です。

⑧検査後、医師より結果説明があり、その後帰宅となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

経鼻用カメラのメリット・デメリット

●メリット

・嘔吐反射の原因となる舌根部に触れずに喉にカメラが到達するため反射が出ないことが多い。

・検査中に会話ができる。

▲デメリット

・経口用カメラよりも検査時間が長い(約10~15分程度)

・カメラを入れる時に鼻に痛みを感じる方も(慢性鼻炎の方など)

・経口用カメラに比べると画質が落ちる。

経口用カメラのメリット・デメリット

●メリット

・経鼻用カメラに比べ検査時間が短い(約10分程度)

・高画質

・胃カメラをしながら処置や治療ができる(止血処置など)

▲デメリット

・経鼻カメラに比べて太いため、胃カメラに慣れてない方や若い方は嘔吐反射が出て、きついと感じることがある。※ただし、個人差はあります。

胃カメラは「きつい」

 胃カメラを受ける際に、いつもきついと感じる方、ほとんど感じないという方がいらっしゃいます。その原因は嘔吐反射の強さです。個人差はありますが、年配の方より若い方が嘔吐反射は強い傾向にあります。

 カメラが喉を通る時が一番「きつい」と感じるところですが、通ってしまえば、後は唾液を飲み込まずに膿盆(のうぼん)に出しながら、体の力を抜く楽に検査を受けることができます。検査がスタートして始めのうちはどうしても体に力が入りがちですが、呼吸を整えていくと徐々に緊張が緩和され、モニターに映る画像をみる余裕も出てきます。

※嘔吐反射・・・咽頭粘膜や舌根部への刺激で生じる反射のことで、例えば、歯医者さんで口の中に器具を入れた時に「オエっ」となる状態のこと

 嘔吐反射が強い方や検査を受けることに対して不安が強い方は、鎮静剤(眠くなる薬)を使って、ウトウトしている間に検査が終わる、という方法もあります。

よくある質問

検査の所要時間は?

 カメラが体の中に入って抜けるまで約10分程度です。前処置なども合わせると20~30分程度です。鎮静剤を使用した場合は、検査後、休んで目が覚めるまでの待機時間を合わせると1~2時間程です。

検査を受けた後、車の運転はできますか?

 鎮静剤を使用した場合は乗用車や自転車の運転できません。

 

当院では、胃カメラ、大腸カメラを行っています。内視鏡検査についてご相談やご質問のある方は「木村病院 消化器内視鏡センター」(代表TEL 092-641-1966)まで気軽にお尋ねください。「内視鏡の日」を機会にご自身のお体のために、検査を受けてみてはいかがでしょうか。

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