診療科・各部門

消化器内視鏡センター

木村病院消化器内視鏡センターでは、胃・大腸などの癌、胃・十二指腸潰瘍、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などの消化器疾患の早期発見や治療を主に行っています。患者さんには苦痛を少なく、安全で、安心して内視鏡検査・治療を受けていただくと共に、速やかに診断を確定し、治療を開始できるように努めています。

理念

患者さん中心の、安全で質の高い内視鏡診療の提供を行います。

基本方針
患者さんが安心し満足していただける、安全で質の高い内視鏡診療を提供するために
  1. スタッフが一丸となり徹底した医療安全の確保に努めます。
  2. 十分な説明のもと不安のない内視鏡診療を提供します。
  3. 地域との医療連携を密に深めます。
施設認定
日本内視鏡学会指導施設
スタッフ数
常勤医1名、非常勤医(九州大学病院より医師派遣2名 2回/週)と専属スタッフ5名が日々の内視鏡診療に携わっています。
侵襲的な検査であることを念頭に置き、安全管理や器具の取り扱いに細心の注意をはらうことを全てのスタッフが心がけております。

消化器内視鏡センターの特徴

少しでも苦痛の少ない検査を実現するために

鎮静剤(静脈注射による意識下鎮静)使用による検査について
より苦痛の少ない内視鏡検査を受けていただくため、当院では検査時に鎮静剤(静脈注射による意識下鎮静)の使用を推奨しています。検査に対して不安の強い方や、以前に胃内視鏡検査を受けて苦しい経験をした方、大腸内視鏡検査を受けて痛くて大変だった方などには特にお勧めしています。検査後は眠気が持続したり、注意力・運動能力の低下などが起こる可能性がありますので、約1時間はリカバリー室のベッドで休んでいただきます。
また、検査当日はお車やバイク、自転車などの運転はできませんのでご了承ください。
※鎮静剤の使用については内服中の薬や既往疾患の内容によっては実施・対応できない場合もありますので、実施の是非については担当医とご相談ください。

内視鏡検査・治療について

上部消化管内視鏡(胃カメラ)の検査・治療
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)は腹部の違和感や痛み、貧血などの原因を調べるため、口(経口)または鼻(経鼻)から内視鏡を挿入し、上部消化管(食道・胃・十二指腸)を観察することによって潰瘍・炎症・腫瘍などを診断するものです。検査の時間は通常5分~10分程度です。途中で病変が見つかった場合は必要に応じて病変の一部を採取(生検)して調べたりします。検査の結果は7日~10日で出ますので後日、改めて診察を行うことになります。

このような方には胃の内視鏡検査をお勧めします。

  • 食欲がない
  • 胸やけがする
  • のどがつかえた感じがする
  • 腹部の痛みや不快感がある
  • 著しい体重の減少がある
  • 喫煙・飲酒をする機会が多い
  • 血縁者に食道癌・胃癌の人がいる
  • ピロリ菌が心配である
  • 検査は原則予約制です。電話での仮予約も可能です。
  • 検査前日の夕食は午後9時までにとり、それ以降は絶食です。水分(水・お茶)は飲んでも構いません。
  • 検査当日の朝は絶食ですが、水分(水・お茶)は飲んでも構いません。
  • 当日の服装は身体を締め付けるものは避けてください。(腹巻き、ボディースーツなど)
  • 検査前に胃の動きを弱める筋肉注射をした方は眼がちらついたり、喉が渇いたり、オシッコが出にくくなったりします。
  • 組織検査をした方は、検査結果の説明は約7日~10日後になります。

内視鏡の種類

経鼻内視鏡検査
細径内視鏡を用いた経鼻内視鏡検査(鼻から入れる内視鏡)です。
検査中の嘔吐反射が少なく比較的、楽に検査を受けることができます。
ただし、経鼻内視鏡は操作性や画像の解像度が経口内視鏡に比べてやや劣る部分もあり処置にも多少の制限があります。また、鼻の穴が狭い方などでは経鼻内視鏡が行えない場合があります。
経口内視鏡検査
喉の局所麻酔だけで検査を行います。検査終了後は喉のしびれ感がとれるまで1時間程度飲食をひかえていただきます。
高解像度の内視鏡を用いた特殊光観察(NBI)などが行えます。
狭帯域光観察:NBI(Narrow Band Imaging)
このシステムでは狭帯域化された波長の光を用いることにより、発見が困難な病変を見つけたり、癌の範囲の詳細な診断をすることが可能です。特に、食道癌や咽頭・喉頭癌はNBIで観察することで、発見の精度が上がります。
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)の検査・治療
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)は肛門より太さ13~14mmの内視鏡を挿入し、空気の注入を行いながら大腸のヒダをたぐり寄せて盲腸まで挿入します。盲腸へ到達後、炎症・ポリープ・癌などの病気がないか観察しながら内視鏡を抜いてきます。途中で病変が見つかった場合は必要に応じて病変の一部を採取(生検)して調べたりします。ポリープや早期癌などの病変を内視鏡的に切除することもできます。検査時間は通常15分~25分程度ですが、ポリープを切除する場合などは通常より時間は長くかかります。

このような方には大腸の内視鏡検査をお勧めします。

  • 腹部の張りや違和感がある
  • 血便がある(便潜血検査が陽性)
  • 便通異常がある(便秘・下痢)
  • 大腸ポリープと診断されたことがある
  • 血縁者に大腸癌の人がいる
  • 40歳以上である
  • 検査は原則予約制です。電話での仮予約も可能です(検査前に1回は受診の必要があります)
  • 検査前日の夕食は午後9時までにとり、それ以降は絶食です。水分(水・お茶)は飲んでも構いません。
  • 検査当日の朝は絶食ですが、水分(水・お茶)は飲んでも構いません。
  • 検査当日は朝から1~2リットルの下剤を、約2時間かけて飲んでいただきます。検査は午後から排便がきれいになってから行います。
  • 検査前に検査着・検査用パンツへ更衣していただきます。
  • 検査前に大腸の動きを弱める筋肉注射をした方は眼がちらついたり、喉が渇いたり、オシッコが出にくくなったりします。
  • 組織検査(生検)をした方は、検査結果の説明は約7日~10日後になります。
  • ポリープを切除する際は入院の必要があります(基本1泊2日)

当院での大腸内視鏡の流れ

検査は1日がかり(目安14時~15時程度まで)と考えてください。
ただし、鎮静剤を使用した場合はそれ以上になる場合があります。

事前に受診していただき、検査の説明をした上で、検査前日の就寝前に内服する下剤を処方します。

前日は食事制限があります。繊維質のもの(野菜・海藻・キノコ)などは食べないようにしていただきます。前日の就寝前に少量の下剤を内服していただきます。

当日は朝食抜きで9時頃に来院していただきます。水分や血圧の薬などは飲んでも構いません。

院内で1~2リットルの下剤を飲んでいただきます。午前中に大腸の中を空にします。
下剤飲用→数回の排便→大腸を空にするこの一連の作業を前処置といいます。(前処置は希望により自宅で行うことができます。)

昼頃(原則、午前中は上部消化管内視鏡検査「胃カメラ」を行う)から検査を始めます。

検査終了後に内視鏡画像を見ながら検査結果の説明を行います。
(鎮静剤を使用した場合、約1時間はリカバリー室のベッドで休んでいただきます。その後、覚醒した時点で検査結果の説明を行います。)

内視鏡ファイバースコープの洗浄について

当院では内視鏡検査による感染を予防するため、内視鏡ファイバースコープを1症例毎に専用の機械で洗浄しております。内視鏡による感染の心配はありませんのでご安心ください。