様々な病気を引き起こす動脈硬化
日本人の隠れた死因は「動脈硬化」!
平成27年の厚生労働省人口動態統計によると、日本人の死因は1位「がん」、2位「心疾患」、3位「肺炎」、4位「脳血管疾患」ということが明らかになりました。
この結果から言えることは、「動脈硬化」が日本人の死亡の原因に大きく関わっているということです。
というのも、2位の心疾患と4位の脳血管疾患はいずれも「動脈硬化」が大きく関与していると言われているからです。
「動脈硬化」ってなに?
では「動脈硬化」とは何でしょうか。
「動脈硬化」とは、動脈の血管の壁が厚くなって弾力性が失われて硬くなったり、血管の内側にコレステロールなどが沈着して血液の通り道が狭くなってしまう現象の総称です。
このような動脈の変化が起こりやすいのは、大動脈や心臓を養っている冠動脈、脳、頸部、腎臓、内臓、手足の動脈と言われています。
また、この動脈硬化は20~30歳ごろから現れ、無症状のまま長い時間をかけて進行し、40~60歳ごろになって初めて症状が現れることが多いので、症状がなくとも注意が必要です。
動脈硬化が引き起こす病気は?
この動脈硬化を放っておくと、
- 心臓の栄養血管である冠動脈が狭くなって起こる「狭心症」
- 詰まることで起こる「心筋梗塞」
- 脳の血管が破れることで起こる「脳出血」
- 脳の血管が詰まることで起こる「脳梗塞」
などの病気を引き起こします。
いずれも命を奪われることもあるこわい病気です。
他にも、足の血管が狭くなったり詰まると「閉塞性動脈硬化症」という病気を引き起こし、歩くと足が痛んだり、ひどくなると足先が腐ってしまうこともあります。
メタボの人は要注意!
動脈硬化を進行させる危険因子は「高血圧」「高脂血症」「高血糖」「肥満」「喫煙」5つと言われています。
職場の健康診断などでメタボリックシンドロームと判定されたことのある方は注意が必要です
中年男性では2人に1人、女性では5人に1人いると言われています。
日頃から健康診断を受けて危険因子の有無を調べたり、動脈硬化の程度を知ることが必要です。
動脈硬化の程度を知る「PWV検査」
動脈硬化の程度を測定する検査はいくつかありますが、今回は「PWV」という検査で測定する方法をご紹介します。
血圧を測るのと同じ感覚で、両手、両足首の4か所の血圧を同時に測定するだけの簡単な検査です。
この検査では血管年齢と血管の詰まり具合がわかります。
ベッドに横になり血圧計を装着し、5分間ほど安静にしておくだけですぐに検査結果が出ます。
その後、検査結果をもとに今後の生活習慣の改善や病気に関するアドバイスを医師から受けます。
動脈硬化は日本人の死因に大きく関与している恐ろしい病変ですが、今は検査で簡単に調べられますので、進行して症状が現れる前にぜひ一度調べてみてはいかがでしょうか?
当院でも予約なしでいつでも検査ができます。気軽にお申し出ください。
参考資料:国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス