薬は水でのまないといけないって本当なの?
薬をのむ際に「水でのまないといけないって本当?」「お茶やジュースでも一緒じゃなの…?」と思っている方も多いのではないでしょうか
そこで今回は薬の正しいのみ方について少しお話したいと思います。
薬は水によって効果を発揮する!
病院で処方される薬は、薬としての効果を発揮する成分(有効成分)と、薬を固めやすくしたり溶ける時間などを調整する成分(添加物)からできています。
一般的なのみ薬は、水に溶けることで吸収が良くなり、効果を発揮しやすいように作られています
水以外でのむとどうなるの?
コーラのような炭酸飲料やジュース、牛乳などで薬をのむと、薬の成分にもよりますが一般的には吸収が遅くなったり、悪くなったりして効果が薄まる傾向がみられます。
グレープフルーツは要注意
グレープフルーツジュースの場合、血圧降下薬(一部のカルシウム拮抗薬)などの薬の分解が抑えられて、作用が強く出てしまうことがあります。
ジュースだけでなくグレープフルーツの実を食べても同じです。
これはグレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という物質が薬を分解する酵素の働きを弱めて薬の分解が遅くなり、効果が強く出たり副作用が現れやすくなると考えられています。
これは2,3日続くこともあるといわれていますので注意が必要です。
アルコールはどうなの?
では、アルコールの場合はどうでしょうか?
アルコールも多くの薬も肝臓で分解されます。
薬とアルコールを一緒に摂取すると、薬の分解が遅れ、通常より血液中の薬の濃度が高くなり、強い作用を及ぼしやすくなります。
特に精神安定剤や睡眠薬などは、作用が強まる傾向があります。
また、糖尿病の薬は低血糖を起こしやすくなります。医薬品として市販されているドリンク剤もアルコールを含んでいることが多いので注意が必要です。
薬は絶対にアルコールと一緒にのまないようにしてください。
コップ一杯の水か白湯がベスト!
最後に、もう一つ。水で薬をのむ場合に知って頂きたいことは、水の量です。
薬をのむのに適している量は「コップ一杯の水か白湯」といわれています。
水分制限がある場合を除いて「コップ一杯の水か白湯」が薬の効果を発揮しやすくしてくれるということをぜひ覚えていただきたいと思います。
最後に
他にものみ合わせの悪い飲食物はありますが、今回はすべてお伝えしきれていません。
ご不明な点などありましたら、医師や薬剤師にお気軽にご相談ください。
参考資料:製薬協 くすりの情報Q&Aより
木村病院 院長 永渕幸寿