コラム

心臓リハビリテーションって何?

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心臓病の運動療法とは

 「心臓病」は世界の死因トップクラス!

 心臓を栄養している冠動脈が動脈硬化により血管が狭くなったり、詰まったりすることで起こる「狭心症」や「心筋梗塞」は世界の死亡原因の代表的なものです。日本でも、心臓病は悪性腫瘍に次いで深刻な死因となってます。

心臓病を抱えるひとの多くは、体調やストレスなどにより心臓のポンプ機能が低下し、循環のバランスが破たんした状態(心不全)を繰り返し、体力低下や心不全症状が悪化することも問題となっています。

 

 「心臓病」の予防法とは?

 狭心症や心筋梗塞などの心臓病の治療や予防法の一つに、心臓病のための運動療法、「心臓リハビリテーション」というものがあります。この運動療法では、速歩やジョギングなどの有酸素運動を、1日30分以上、週3~4回程度行うことが推奨されています。

運動療法の最大の効果は体力の増加です。体力がつくことで、動作時の呼吸困難や疲労感などの心不全症状や、狭心症発作を軽減し、QOL(生活の質)を改善します。心不全の再発を予防し、死亡リスクを減らす効果もあります。心不全症状や狭心症発作が減少することで、日常生活での不安や抑うつが軽減して精神的な効果が得られます。 

運動療法の効果とは?

心臓にかかる負担の軽減(胸痛発作や不整脈を抑制します)

体力の向上(心機能が低くても、筋や血管機能がよくなることで体力は向上し、生存率も改善します)

動脈硬化危険因子の改善(糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満など動脈硬化につながる病気を改善します)

筋力改善(低負荷での筋力トレーニングは、心臓への負担なく筋力の向上が図れるため安全で効果的です)

精神面の効果(抑うつ状態を軽減し、社会生活指標を向上させます)

 

 心臓病に効果がある運動療法ですが、身体への負担が大きすぎる運動は心臓の機能や体調の悪化に繋がります。そのため、運動開始前に運動の種類、強度、時間、運動中止の基準を専門医に確認する必要があります。

 

心臓リハビリテーション!

 木村病院では、入院のみならず、外来リハビリテーションや通所リハビリテーションでも心臓リハビリテーションを行っています。医師・看護師・栄養士・理学療法士・作業療法士・ソーシャルワーカーなど各専門家が連携をとり、チームで患者さんのフォローアップを行っています。また、包括的な心臓リハビリの専門家である心臓リハビリテーション指導士が在籍し、安全に配慮した運動療法を行っています。心臓病は再発が多い病気です。正しい食事や服薬、運動により全身状態の管理を長期的に行うことがとても大切です。

 

 準備体操、有酸素運動、筋力トレーニングを病状や体調に合わせて行います。日々の体調の変化を確認し、心電図で心臓の状態を確認しながら運動をおこなうため安全です。体力に自信がない方でも、一人ひとりに合った運動を提供していますので、安心してご参加いただけます。

 

外来・通所心臓リハビリに興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせ先

TEL:092-641-1975(リハビリテーション室直通 担当:荒木)