コラム

インフルエンザQ&A

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インフルエンザってどんな病気? 

 「インフルエンザ」とは、インフルエンザウイルスに感染して起こる肺と気道の感染症です。一般的な「かぜ」と異なり、症状が重くなりやすい病気です。インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型があり、ヒトに流行しやすいのはA型とB型といわれています。日本のインフルエンザの発生は、例年11月下旬から12月上旬に始まり、翌年の1月から3月にかけてピークを迎えます。

 症状としては、1~3日間ほどの潜伏期間の後に、悪寒、発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、筋肉痛・関節痛などの症状が突然現れ、続いて、のどの痛み、せき、鼻水、全身のだるさが生じ、約1週間程で軽快するのが典型的なインフルエンザです。

 特にご高齢の方や小児の方、免疫が低下している方は、持病が悪化したり、気管支炎、肺炎、中耳炎、インフルエンザ脳症などの合併症を引き起こすことがあるため十分注意が必要です。

図:NIID 国立感染症研究所より

予防する方法は?

 インフルエンザは感染力がとても強く、主に「飛沫感染(ひまつかんせん)」「接触感染」といって、せきやくしゃみをしたときに口から飛び出す小さな水滴(飛沫)を浴びたり、接触することで感染します。そのため、この”飛沫を浴びない!””飛沫に接触しない!”ことがインフルエンザの予防にはとても重要なポイントとなります。具体的には手洗い・うがい、マスクを着用することで飛沫を浴びたり触れたりする確率を十分に抑えることができます。

【インフルエンザの予防法】 

①日頃から、十分な栄養と睡眠をとって抵抗力を高めておきましょう。

②人が多く集まる場所から帰ってきたら、手洗い、うがいをしましょう。

③せきやくしゃみをよくしている人と一緒にいる時はお互いマスクの着用をしましょう。

 流行する前にインフルエンザの予防接種をうけましょう! 

 以上のような基本の予防法に加え、インフルエンザワクチンを接種することも一つの予防法としてあげられます。予防接種でインフルエンザウイルスの感染を完全に予防することはできませんが、インフルエンザに感染しても発症の可能性を抑えたり、発症した場合でも重症化するのを抑えることができると言われています。特に、ご高齢の方は入院や死亡の危険を減少させることが期待できるとされていますので、流行期に入る前にワクチンを接種することをおすすめします。

インフルエンザの診断はどのようにするの?

 基本的には、医師の診察により症状や患者さんの状態からインフルエンザかどうか診断をつけますが、最近では外来やベットサイドなどで、「インフルエンザ迅速抗原検出キット」を使い、鼻やのどの粘膜を綿棒でぬぐった液で、わずか10分程で調べることができます。ただし、インフルエンザの症状が出て検査を行うまでの時間が早すぎたり、検体採取が十分に出来なかった場合には陽性にならない事もあります。その時は、翌日に再検査をお勧めすることがあります。

インフルエンザの治療は?

 インフルエンザの治療には、せきや鼻水などの症状を抑える対症療法と、インフルエンザウイルスに直接作用する「抗インフルエンザウイルス薬」による治療があります。

 抗インフルエンザウィルス薬は経口薬、吸入薬、点滴などがあります。この抗インフルエンザウィルス薬は、ウィルスの増殖を抑える作用があるため、ウィルスが最も多くなるとされる、症状が出て48時間以内(2日以内)に使えば、病気の期間を短くして病状の悪化を抑える効果が期待できます。48時間以降では、主に辛い症状(せきや鼻水、倦怠感、痛みなど)を抑える対症療法を行うことになります。また、外出を控え、自宅でしっかり水分補給を行い、安静に過ごすことが大切です。

インフルエンザの治療後、学校や仕事はいつから行っていいの?

 学校保健安全法では、出席停止の目安は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」とされていますが、各学校、園によって、それぞれに定められている場合もありますので確認が必要です。

 成人の場合は、法的な出勤再開の決まりはありませんが、一般的には、発熱がなくなって2日目までが外出自粛の目安とされています。ただし、こちらも会社の就業規則等で決められている場合がありますので、いつから出勤可能か確認が必要です。

 

 以上、インフルエンザに関してよくあるご質問について記載させていただきましたが、ご不明な点がありましたら、主治医もしくはスタッフまで気軽にお尋ねください。

 

社会医療法人社団至誠会 木村病院 感染防止対策委員会

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