コラム

新生活がもたらす気持ちの変化

カテゴリ:

これって五月病?

 4月から、新しい環境で生活し始めた方も多いのではないでしょうか。職場が変わった、進学したなど、これまでとは違う生活に、新たな気持ちで取り組みつつも、その環境に慣れるまでには、戸惑いも大きいかと思われます。そういった環境の中で過ごしていると、やる気が出ない、疲れやすくなった、気持ちが落ち込んでいる、眠れないなどの症状が出てくる場合があります。世間では、「五月病」と呼ばれることもありますね。

五月病とは

 心理学辞典(有斐閣)より引用すると、
【五月病(freshmen’s syndrome)】
入試の緊張が解消し、5月連休明け頃より、うつや無気力状態の学生が増加することからこの名称が使われた。いわゆる荷おろしうつとも関係するとみられる。またキャンパスの諸機能に対する、役割期待と役割実現の認知のずれが一つの契機になるとも考えられる。

 現在、五月病は、学生だけでなく社会人を含め幅広く使われています。正式な病名というわけではありません。また、「五月病」として挙げられる症状の多くは一過性のもので、時間が経つと落ち着いてくるものだと言われています。

 

 

 

 

 

時間が経てば落ち着くとは言うけど、この気持ちはどうしたらいいの?

 ひとまずは、自分の今の状態を確かめてみましょう。今どのような気持ちなのでしょうか?何もしたくない、不安な気持ちが続いているといった気持ちがあるかもしれません。そういった場合には、休息をとること、その気持ちを人に話すなどして、これまでご自身がされてきた対処法を用いながら過ごされることがいいと思います。
 また、身体の感じはどうでしょうか。無意識に身体に力が入っていることはありませんか?そういった場合には、身体の力を抜くためのストレッチや運動をすると、緊張がほぐれて少し楽になります。

     

最後に

 一ヶ月以上経っても症状が改善しない、生活に支障が出ている場合には、専門機関への受診をおすすめします。心療内科や精神科では、薬を用いて気持ちの安定を図ることもできます。
 また、お話を伺いながら、気持ちの整理や問題解決のための方法を一緒に考えていく「臨床心理士」というスタッフが病院にいる場合もありますので、気軽に相談してみましょう。

 

 

 

 

 

参考資料:『心理学辞典』(有斐閣)
     『教育と医学』(慶應義塾大学出版会)2009年5月号[57巻5号]、56-63頁
     黒木俊秀「五月病」の起源と拡散ースチューデント・アパシー、ひきこまり、そして
     ニートへー

関連キーワード

関連キーワードはありません

関連記事